叔父と姪

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「なんか案外楽しいねぇ。ミチルちゃん教えるのうまいよ。塾の先生とか向いてるんじゃない」 「ユメ相手だからなんとかなっているだよ」  気心しれたユメ相手だから大丈夫なだけで、不特定多数の子どもと関わるなんて絶対に無理だ。  洗い物をしていた母が小銭入れと買い物メモを手に顔を出す。 「ミチル、ユメちゃん。勉強が一段落したらお買い物頼める? スーパーで商品の札を見て回ったら、身近な漢字を見て覚えられるでしょう?」 「ハイ! ハイ! お駄賃としておやつ買っていいなら行くー!」  ユメはおつかいの提案に即反応した。 「そうねぇ。アイス一つでどう? おつりで好きなのを買っていいから」 「交渉成立〜。ミチルちゃん、行こう!」 「一人で行けばいいじゃない」 「一人じゃやだぁー。一緒に行こうよーーーー!」  肩を掴まれて左右にゆさゆさ。一緒に行くと言うまで揺さぶられそうで諦めた。  母もユメも、昨日からなにか理由をつけてミチルを外に出そうとしている気がしてならない。  引きこもりなのを心配をされていると、うっすら感じる。 「……わかったよ、行くよ」 「わーい! ミチルちゃんありがとう大好き!」
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