6人が本棚に入れています
本棚に追加
「……私でも、歩叔父さんみたいに……何かになりたいなんて、思える日が来るのかな」
「さあねぇ。ああ、そうだ。じゃあミチルとユメ。ひとつゲームをしましょう」
歩は未使用のノートを一冊テーブルに出した。
「今からそこの商店街に出て、出会う人に『子どもの頃の夢と今の職業』を聞いてらっしゃい。三十人に聞いて戻ってこれたら、ご褒美にいいものをあげる」
「…………そのゲームになんの意味があるんですか」
「意味なんてクリアしてから考えなさい。クリアしないとご褒美の内容は教えないし、見せないわ。けれど、きっと二人が探すものの役に立つわ」
ミチルとユメは顔を見合わせ、頷きあう。
「……そのゲーム、乗ります」
「うん。あたしもやってみる」
歩がゲームを提案してきた理由はわからないし、ゲームの意味もわからない。
わからないけれど、きっと迷っているミチルたちのためになることなのだと思った。
最初のコメントを投稿しよう!