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転生先神引き?と思ったこともあったような
そこそこのオタクで、そこそこの見た目の、普通の社会人だった。……と思う。具体的には覚えていない。
(推し、尊い……)
幼い頃からぼんやりと前世を夢で見て、なんとなく馴染んで行って、妄想なんかじゃなく、「これ、大好きだった異世界転生モノ実体験中じゃない?」と思い至って、口を閉ざして。
だって、イタイ子だと思われるのはやっぱりツライ。
前世どんな仕事をしてたのか思い出せないわたしじゃ、知識チートなんてできないし。生まれ持った能力を考えれば俺TUEEEEなんて絶対ムリ。
(まぁ、ボーナスステージ的余生みたいな?)
誰にも話さず、何ももたらさず、ただそんなちょっと変わった個性があるらしいと自分で受け入れて。
あとは与えられた環境で普通に、真面目に生きていく。それが、わたしの今生。そう思っている。
……いや、思っていた。あの日までは。
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