乙女ゲーム疑惑と原作至上主義オタク

15/19
前へ
/206ページ
次へ
不毛だなぁとは思ったけれど、二次元にガチ恋してるわたしに返せる言葉は何もなかった。 だから、とりあえず、今世では推し様の容姿を愛でつつ、全力でジョシュア様応援団をしてみようと思う。 それがきっと、オタクとしての正しい姿。 (どうせ、「国の役に立つ」とか「宰相となって役目を果たす」とかなんだろうけど。……なんて、「どうせ」とか言っちゃダメ! 宰相って、すごいことなんだからね!? ある意味、ジョシュア様はこの先、国中から推されるのよ、つまり。……わたしの推しはいずれ、国民的アイドルになる!) 確かに、国民的アイドルへの道……いや、宰相への道か……その重圧はすごそうだ。 それに、生まれた瞬間に敷かれた道しか進めないのは、ツライ気がする。 まぁ、そう思うのも前世の感覚が残っているせいかもしれないが。 「……わたしの、望み……?」 (ふふふ……推し。今日からこのヒトがわたしの推し。今生の最推し。そう思うと……今しか見れないこの、子どもっぽさの残る雰囲気はめちゃくちゃ貴重! だと思えてきた!) 相手が目を逸らしているのをイイことに、真っ直ぐに観察する。 (前世の最推しと比べちゃダメ。比べるならせめて、現世出会ったあれこれの中でわたしの琴線に触れたもの。…………あれ? わたし意外に健全だった? 本は……『カルマの淵から』とか『ぬばたまの瞳』とか好きだったけど、キャラ立ちがいまいちだったし……) わたし、今生でまだ、オタクの本領発揮できるほどのモノに未だ、出会えてなかったかも……? (演劇系はストーリーのゆるいミュージカルみたいなもんで惹かれなかったし……)
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加