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不毛だなぁとは思ったけれど、二次元にガチ恋してるわたしに返せる言葉は何もなかった。
だから、とりあえず、今世では推し様の容姿を愛でつつ、全力でジョシュア様応援団をしてみようと思う。
それがきっと、オタクとしての正しい姿。
(どうせ、「国の役に立つ」とか「宰相となって役目を果たす」とかなんだろうけど。……なんて、「どうせ」とか言っちゃダメ! 宰相って、すごいことなんだからね!? ある意味、ジョシュア様はこの先、国中から推されるのよ、つまり。……わたしの推しはいずれ、国民的アイドルになる!)
確かに、国民的アイドルへの道……いや、宰相への道か……その重圧はすごそうだ。
それに、生まれた瞬間に敷かれた道しか進めないのは、ツライ気がする。
まぁ、そう思うのも前世の感覚が残っているせいかもしれないが。
「……わたしの、望み……?」
(ふふふ……推し。今日からこのヒトがわたしの推し。今生の最推し。そう思うと……今しか見れないこの、子どもっぽさの残る雰囲気はめちゃくちゃ貴重! だと思えてきた!)
相手が目を逸らしているのをイイことに、真っ直ぐに観察する。
(前世の最推しと比べちゃダメ。比べるならせめて、現世出会ったあれこれの中でわたしの琴線に触れたもの。…………あれ? わたし意外に健全だった? 本は……『カルマの淵から』とか『ぬばたまの瞳』とか好きだったけど、キャラ立ちがいまいちだったし……)
わたし、今生でまだ、オタクの本領発揮できるほどのモノに未だ、出会えてなかったかも……?
(演劇系はストーリーのゆるいミュージカルみたいなもんで惹かれなかったし……)
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