悪役令嬢本番スタート

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いくら団結力を求める学園でも、生活レベルや求められる教養のレベルが違っては一緒に学ぶのは難しい。 A・B組では外交の授業のレベルが高いと聞くし、C・D組には宮仕えとなった時のため、貴人の身の回りを整える実習がある。 E組以降のクラスには、伯爵家以上の貴族家の侍従侍女となるための教科があるらしい。 もちろん、各クラス内でも本家筋かどうかや、婚約者の家格、現在の権勢なんかで格差が生じる。 ほぼ全員が不平等──。 ごく稀に拮抗する同級生同士が発生することもあると聞くが、わたしの場合は、クラスに同格の友人を探すのは難しい。 だって、有力伯爵家本家の長女で、美人で、次期公爵の婚約者の悪役令嬢だ。なかなかのカードが揃ってる。 ワンチャンあったとして、別ルートの悪役令嬢とか? 聞いた事ないけど。 貴族社会はピラミッド状で、下の階級ほど人口が多い。それなのになぜ、各二クラスで収まるのか。 我が家の家庭教師の答えは、「率直にお話し致しまして、学園に支払うお金の問題ですわね。下級貴族は三男以下や傍系を通わせることは、まずございません」だった。 小説やゲームではそもそも傍系は存在感が薄い。でもこの世界では、歴代当主の三親等までは一応貴族として遇される。 さらに言えば、準貴族として騎士爵なんてのもあったりするが、そちらの一族は武力を身につけるのが至上の命題のため、王立学園には入らない。というか、入れない。 彼らは皆、13歳になると騎士団見習いとしての生活をスタートさせる。
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