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プロローグ
繋がる身体。ベッドを軋ませながら自分の腰の動きに合わせて淫らに上半身を揺らす彼。
「理人さん……。理人さん」
手に入れたい程、愛おしい人の火照った顔を見つめながら名前を呼ぶ。
「くりやまっ……」
今にも限界を迎えそうなのか、快感に溺れて苦しそうに自分の名前を呼ぶ彼の姿が愛おしい。
この人に愛していると告げられる日は来るのだろうか。彼に愛が伝わる日は来るのだろうか。
決して口にしてはいけない言葉だと分かっていても、理性を飛ばした頭でうっかり零してしまいそうになる。その言葉を零してしまえば、この人との関係が終わってしまうと分かっていても想いを告げてしまいたい。愛していると……。
言葉を堪えて、奥を突きながら絶頂を迎えそうな愛おしい人のモノを掌で握りしめて先端を親指で塞ぎ止める。
「あっ、あっ……。くりやまっ、苦しい……。出したいっ、て、手放してっ……」
「理人さん、まだダメです」
欲を満たすために抱かれている貴方と愛したい為に抱いている俺とじゃ温度差が違うことは痛感している。
こんな甚振るようにじゃなくて、貴方の身体を慈しむように優しく抱きたい。
けれど、少しでも気持ち乗せて抱いてしまえば悟られそうで自分を戒めるようにわざと貴方を苛める。
それでも止められない……。
好きでいることも、貴方を抱かせてもらえていることも……。
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