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寝ている間、誰かに呼ばれていた感じがしていた。
優しくて穏やかな声で、私の名を呼んでいる。
すごく心地よくて、ずっと聞いていたい感じもする。
夕方近くになって目を覚まして、宿題を済ませていると、線状降水帯に伴う激しい雨の音が家の外を賑わしていた。夜ご飯の豆腐ハンバーグを食べている間も、雨は止むことがなかった。それなのに、私の耳の奥では、あの声がずっと響いていた。
翌朝の私は、夢見のせいで少し寝不足気味だった。でも、このままだと寝過ごしてしまいそうだったので、あえていつもより早く白い繭の調査に向かった。
いつものように規制線を超えて、白い繭にさらに近づく。
よく見てみると、昨日ぶつかった辺りの所だけ、少し緑色になっている。やっぱり昨日の事は気のせいなんかじゃなかった。
でも、なんで色が変わったんやろう?
まぁ、本来はそういった事を調査してるわけやねんけど。
耳を澄ませてみると……
なんか聞こえる気がする。
なんかヒソヒソと、でも間違いなく私の名前を連呼している。この声って、夢で聞いてた声と一緒だ。
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