ある日、白い繭

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 あ、そう言えば、なんで星菜なんだろう?この人はなんでその名前に拘っているんだろう?そう思って聞いたら、 「あぁ、前に付き合っていた人の名前での、我もちょっと賭けてみたのじゃ。 行った先で、我の呼びかけに応えた星菜という名の女子(おなご)がいたら、きっと振り向いてくれるかと思ってな。 さらに、白い繭は、星菜の接吻で施錠解除される感じでの」  さらっとそう言った。というか、接吻って。 「接吻したじゃろ?」  いや、たしかにそうかも知れない。けどあれは完全に不可抗力であって、そういうんじゃない。 いや、そこもかなり腑に落ちないけど、他にも聞きたいことは山ほどある。   そこで、この白い繭について尋ねてみた。 「あぁ。その辺は(しゃく)の問題での、言うに言えんのぅ」  ……なんと適当な返答! ま、明らかにオーバーテクノロジーやし、聞いたところで理解できるとも思わないけれども!
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