ある日、白い繭

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 私にとっては当たり前の事も、華丸にとっては始めての事ばかりで、地下鉄に乗る時にはとてもはしゃいで、先端車両に移動して感嘆のため息を漏らしていた。  ひとまず、暑さを凌ぐ意味とお腹が空いたのもあって、その後は家に帰る事にした。  そうして、昨日と同じようにみかん素麺を食べることにしたのだけど、それを何度も美味しいと言いながら、頬を緩めて食べている華麿の可愛い事ったらない。  食べ終わって、エアコンの効いた部屋でのんびりしていると、華麿は唐突に、 「我の京は、アサガオが空前の流行りでの」 と言ったのだった。  確か、朝顔は平安時代から日本にあったんよね。
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