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寂しい気持ちを抱きながら、気分を変えようと、お気に入りの紅茶を淹れることにした。
やかんでお湯を沸かして、ポットに茶葉を適量入れてお湯を注いで待つ。
その間に冷凍庫を開けて、水色の透明グラスに氷をたくさん入れて、頃合いを見て淹れたてのお茶を注ぐと、氷が勢いよくぱちぱちと弾ける音がした。
ふとキッチンの鏡を見てみると、唇の傷はすっかり治ってる事に気づいた。そこは良かったけれど。
華麿は今度はどこで何を探しているのかな?また会えないかな。
また、どこかの星菜という名の女子の力を借りてるのかな。
あれ?なんやろ?
めっちゃムカムカしてきた。
また会いに来てくれてもいいやん!
そんな時に……。
ふいにドアベルが鳴った。
そこには、あの美しい姿があった。
私はなるべく平静に、気持ちを悟られないように、
「今度は何やの?」
そう尋ねると、
「ややこしいことじゃが、また頼む」
そう言って、あの美しい笑顔をまた浮かべるのだった。
よっし!チャンス到来!
めちゃ嬉しい気持ちを隠しつつ、
「しゃあないなぁ!」
と、ツンと言ってみる。
本当はすごく嬉しいけど、素直に喜べないのは、他の星菜が気になるから。でも、華麿には本当の接吻をして、絶対に私がゲットしてみせる!
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