ただの傍観者にしかなれない

2/2
前へ
/26ページ
次へ
クリスマス・イヴにデートするらしい。 ランチを食べて、映画を観て……。 そして、イルミネーションを一緒に見て、そのときに告白するんだと。 ……なんだよ、それ。 そんなの、両想い確定演出じゃないか。 ななこ先輩を応援してきたはずだったのに、 自分の心中は「嫉妬」と「悲しみ」に覆われている。 かろうじて、絞り出した声は、 「……そうですか。」 という、何とも気の利かない一言のみだった。 幸いにして、先輩が降りる駅にはすぐ着いた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加