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 わははっと明るい笑い声が聞こえた。柊吾が私の腕を掴んで、ぐいっと自分に寄せる。ランドセルを背負った小学生たちが元気よく横を走り抜けた。小学生たちがいなくなっても、柊吾は私の腕から手を離さなかった。 「俺が鼓のこと香林って呼んで距離取ったのは、周りから仲がいいこといじられて夫婦とか言われて恥ずかしくて、それでつい……。すぐに仲直りできると思ったけど案外できなくて、すげー自分のこと責めた。でもいつまでもこの関係なのは嫌だし、何より一番は後悔したくないから。好きな子にちゃんと好きって伝えて、好きな子の彼氏になりたい。だから今日一緒に帰ろうって、誘った……」  柊吾の視線が熱かった。雪が降っているから寒いはずなのに、体は変な熱さを帯びている。 「好きな人とおじいちゃんおばあちゃんになるまで一緒にいることは叶わないから、せめて残された時間は一緒にいたいって思った。鼓、俺と付き合ってほしい」  私はパッと柊吾から視線を逸らすと、柊吾の手から逃れ先を歩く。  雪に足を取られてバランスを崩してしまい、倒れそうになった。すかさず柊吾が私の体を長い手で支える。傘に乗っていた雪が地面に落ちた。 「あぶなっ」  私が柊吾を見上げると、柊吾と目があった。  そこからの記憶は曖昧だった。  ただはっきりと覚えているのは、雪が降っていて寒いはずなのに体が熱くて、お互いの頬が紅く染まっていて、唇には何だか変な感触が残っていたということだけだった。  あと、「」と口にしたこと。
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