忘れられない日

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「こんなの、詐欺(さぎ)だわ」 「だましてなんかいないさ」  僕は彼女の指に返された指輪を再びはめた。 「え?」  彼女の顔に戸惑(とまど)いが広がる。 「まって、これ、動画配信されているの?」  ねえ、これって企画? 小さな声で(ささや)くのを(さえぎ)った。 「そんなことはどうだっていいよ」  僕は彼女の肩を抱いた。 「きみを幸せにするためになら、何だってする」  僕はまぶしさに目を細めながら、空を見上げた。 「なんなら、もう一度、雪を降らせようか?」  いいねの数が増えていく。    クラウドファンディングの返礼は、結婚式の招待状だ。
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