0人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんなの、詐欺だわ」
「だましてなんかいないさ」
僕は彼女の指に返された指輪を再びはめた。
「え?」
彼女の顔に戸惑いが広がる。
「まって、これ、動画配信されているの?」
ねえ、これって企画? 小さな声で囁くのを遮った。
「そんなことはどうだっていいよ」
僕は彼女の肩を抱いた。
「きみを幸せにするためになら、何だってする」
僕はまぶしさに目を細めながら、空を見上げた。
「なんなら、もう一度、雪を降らせようか?」
いいねの数が増えていく。
クラウドファンディングの返礼は、結婚式の招待状だ。
最初のコメントを投稿しよう!