第一話 運命の人、私のもとに落ちてこい!

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「今年も和泉を楽しませるんでよろしく!」 「そうだね。今年も楽しい一年になりそうだ」 和泉が爽やか笑顔を振り撒いた瞬間、周りの女子達が騒ぎ始めた。 「あ、引き止めてごめん!」 「いいって。変に気遣われる方が落ち着かないし。あ、俺……先生に呼ばれてるから。じゃ」 「また後でー!」 やっぱり和泉のような崇め奉られる男子って大変なんだろうな。 「愛花ってよく和泉くんに緊張せず話せるよね」 「ねー! あの顔に見つめられただけで倒れちゃうよ! うち!」 「真凜もココも大袈裟! 和泉とだってずっと同クラじゃん。そりゃあ挨拶したりちょっと話すくらいの仲だけど!」 「いやいや、愛花がおかしい」 「男子達は普通に和泉くんと話すから愛花って実は男子なんじゃ?」 「何でよ! なんなら私、あの顔と睨めっこ出来るまであるから!」 他の女子達ほど和泉に興奮しないし。 「睨めっこって……」 「それ、和泉くんに提案したらだめだかんね!」 「和泉の変顔見て見たいけどなー」 「愛花は和泉くんに変顔晒す勇気あるんだ」 「私の中で和泉を好きになる確率全く無いし! 完璧すぎてさ」 「だからダメンズに引っかかるんだよ! あいきゃん!」 確かにそれは言えてる気がする。 でも、和泉を好きになるはないなー! 高嶺の花すぎるし、どこか隙がないからね。 「ようやく真尋と同じクラスになれたー!」 「俺も真尋が同じクラスで助かった。一人じゃタカのツッコミが追いつかん」 「ひどくね⁉︎ ゴン! 俺の相方だろ! 二人でお笑いのトップ目指すって決めたじゃん!」 「いや、タカとはお笑いコンビ組まないから。俺、実家の魚屋継ぐし」 「何でだよ! お笑いのが絶対楽しいって!」 「俺はタカとゴンのコンビ、テレビで見たいけどな。絶対面白いし」 「何で真尋までタカの肩持つんだよ……」 教室に行くと、和泉はいつも通り男子達とバカ話していた。 うーん、やっぱり和泉を崇め奉る傾向が強いのは女子達なんだなぁ。私以外の。
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