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第七話 学園の王子様が迫りまくってくる件
まさかあの和泉真尋にこの私が告白されるだなんて。
しかも、中学からってなると結構長く和泉の気持ちに気付かずにいたってわけで、自分の鈍感さに自分で引いた。
「夢咲さん? どうかされました?」
「へ?」
「さっきから何度もお声がけしたのですが、静かにされていたので」
「ご、ごめん」
和泉に告白された衝撃で今日の私はいつも通りではいられなくなっている。
祈くんの呼びかけに気が付かなかった。
どうしよう、真凜やココには和泉に告白されたなんて言いづらいな。
はよ付き合えって言ってきそうだし、なんとなく言いづらい。
「夢咲さん、体調でも悪いのですか?」
「い、祈くん! ちょっといいかな?」
「は、はい」
和泉の本性を知る仲間だし、祈くんになら!
「というわけで……どうしても誰かに話したくて! 祈くんにだけは言っておきたいなって」
「真尋くんが夢咲さんに告白……」
「も、もちろん断ったよ! 今迄ずっと友達だったし、気持ち無いのに付き合うのは失礼に当たるから」
「そ、そうでしたか」
「他の人だったら勿体ないって思うんだろうけど」
「ですから真尋くんは夢咲さんなんでしょうね」
「へ?」
「夢咲さんは適当な気持ちで人と関わりませんから。いつだって真っ直ぐで誠実さがある」
「そ、そうかなぁ」
「僕は夢咲さんの選択を否定する気はありません」
やっぱり祈くんに話して良かった。
他の友達にはけちょんけちょんに言われる画しか浮かばないし。
「とりあえず祈くん以外には話さない。和泉から告られた事。和泉だって自分が振られたなんて事実、他の人に知られたくないだろうし。ほら、プライド高いから」
「僕に話す事は真尋くんには?」
「一応メッセージで言った! 誰かに言わないともやもやするし。それに、どちらにせよ祈くんは空気とかで読み取ってた気がするし」
「そうでしたか。僕、お二人から信用されてるんですね。嬉しいです」
祈くんは神様に近い存在だから付き合いが長い親友二人より話しやすい気がする。
別に真凜達を信頼してないわけじゃないけど!
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