第七話 学園の王子様が迫りまくってくる件

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「ホッシー、夢咲。おはよう」 「お、おっす」 「おはようございます、真尋くん」 「あれ、二人でどこか行ってたの?」 「う、うん。ちょっと購買に。ね、祈くんっ」 「ええ。買いたいパンがありまして」 「そうなんだ。俺も誘ってよ」 クラスだといつも通り爽やか王子キャラな和泉。 だけど、爽やか笑顔の裏にお前ら何の話してたんだよって言ってるブラック和泉がちらりと見える。 「真尋くんのオーラが真っ黒に」 「やだなぁ、ホッシー。勝手に見ないでよ」 「す、すみません。見えないようにする事は出来なくって」 「その眼鏡、オーラは遮断出来ないんだ」 「はい、ただ単に目が悪くてかけてるだけといいますか」 「裸眼にしたら見えづらくなったりとか?」 「ま、真尋くんのは濃い黒なので裸眼でも認識が……」 「えー? 何でだろ。俺ほど純白な心な人間いないのに」 どの口が言う! 「じゃあ、私は真凜達のとこに……」 「あ、そうだ。夢咲!」 「な、何?」 「日曜日予定空けといて」 「へ? その日は真凜達誘ってどっか行こうと……」 「その感じだとまだ誘ってないって事だよね?」 「う……」 「じゃあ、俺の為に空けてくれると嬉しいな」 「わ、私は……」 「断ったら困るのは夢咲の方だろうけど」 誘いっていうより脅迫⁉︎ 「わ、分かった」 「ありがと、夢咲」 「でも、いいの? 体育祭の次の日だし疲れない?」 「俺、疲れを知らないから」 和泉、体育祭の日は色々頼まれてバタバタするの明らかなんだけどな。 「私……和泉を振ったはずなんだけど」 「俺さ、朝の記憶全く無いんだよね。なんかあったっけ?」 「やっぱり無かったことにしようとしてやがるっ」 「真尋くんはやはりお強いですね」 「私、和泉がへこんだりしてるの見た事ないし」 「確かに」 「昔は内気で暗い方だったんだけどね」 「えっ」 「和泉家の長男に生まれた以上は強くいないといけないから」 「和泉が内気? 嘘くさっ」 「ま、信じたくないならそれはそれでいいけど」
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