君とお茶を

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 ところが次の日も、女の子はやってきました。  魔法使いが話し掛けたいのを我慢して離れた場所で様子を見ていると、女の子は何かを探しているようです。  そしてそれが見つからなかったのかそのうちあきらめ、森を出て帰っていってしまいました。 「あの子は森に何か用があるのかもしれない。もしまた来たら、もう一度勇気を出して聞いてみよう」  数日後、また女の子が森にやってきました。  魔法使いはもう一度優しく話し掛けます。 「……こんにちは、この前も森に来ていたね。どうしたの?何か困っていることがあるなら言ってみて。僕が力になれるなら手伝うから」  すると女の子は恐る恐る魔法使いに尋ねます。 「あの、あなたがこの森の魔法使いさん……?」  女の子は彼のことを知っているようです。 「この前はごめんなさい、あまりにびっくりして逃げちゃって……」 「良いんだよ、僕がいきなり話しかけたんだからね」
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