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ほらね。
やっぱり、呆れた顔をされた。
突拍子もなく、そして、唐突すぎたのかもしれない。当たり前だ。いきなりこんなことを言われたら、誰だって引いてしまう。
「なーんてね。ごめん、今のは忘れて。お茶して帰ろう。駅前のカフェにする?」
やはり、言わなければよかったと後悔しながらノートや筆記具やらを手早く片付け、バッグを手に立ち上がった紗紀の腕を、暎子はむずりと掴んできた。
「な、何?」
「信じるわ」
予想外の暎子の反応に、今度は紗紀のほうが目を瞬かせる。
「霊の存在を信じるかって? もちろん信じるに決まっているじゃない。あたし、そういう話、大好物なんだから。で、続き、話の続きを聞かせなさい!」
「ええ!」
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