3 心霊番組に映っていたのは!

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「この簪のせいで、身辺に不幸が起きるようになったというのだな。かわいそうに」 「はい……本当に辛くて」  紗紀は目に涙を浮かべた。  悩んだけれど、伊月さんに相談してよかった。  暎子も理解してくれたし相談にのってくれたけれど、彼女はただ単に心霊好きなだけで、悩みを解決してくれることはできない。  嫌味で苦手な人だと思ったけれど、やはりここに来たことは間違っていなかった。  目の前にいる伊月一空は、超有名な霊能者。  助けてもらえる。  これで、普通の日常を取り戻せる。  次のアパートを探さずにすむ。  が、次に出た一空の言葉に、紗紀は目が点になった。 「かわいそうと言ったのは、静森さんのことではない。勘違いするな」 「は?」
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