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「悠斗は俺から何が欲しい?」
「べ、別に…」
俺は足を止めて悠斗の肩から手を外した。
「嫌なら言って。全く望みがないんなら、もう二度と触んねぇから」
心にもない事を言って悠斗の気持ちを探ってしまう。
今まで抑え込んでいた欲が、希望の光を掴もうとして逸る。
我ながら面倒くさい男だな…って笑えてくる。
俯いた悠斗がそっと俺の左手の中指を掴んで
「気持ちの整理が付かない…」
と言った。
「あぁ」
「…写真はいつかちゃんと消す。絶対、約束する」
「今すぐには…消せない?」
「まぁ正直……消すには惜しい」
「ん゛ん…うん、まぁ…うん…そうか…」
「観賞用として…捨て難い」
「俺のじゃ代わりにならねぇか?」
「…孝之のは、ダメだ。色々……」
「あ?何て?」
「想像しそうで、先を…お前との……」
段々と声が小さくなるわ、下を向くわで最後が全く聞き取れない。
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