あと3センチ

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 それでも…中指から伝わる熱が、俺の希望を繋いでくれているのがちゃんと分かった。  だから俺はいつまでも待てる、そう思った。 「いつか、俺でも良いよってなったらさ…もう一度キスしてくんない?」  掴んでいた俺の中指を力の限り握り締めて、悠斗が顔を上げた。 「そうじゃなくて…」 「え」  暗い夜の道端で不意打ちの二度目のキスをされて、不覚にも涙が出た。 「俺、孝之の事好きじゃん…て。何で自分で気付かなかったんだよってもう何かさ…どうしたらいいか分からない」 「……マジか」  一気に速度を上げて高鳴る鼓動。  まるで自分の身体(からだ)がドラムにでもなったみたいだ。
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