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おれは堪らずその男女グループへずかずかと近づいて行く。
何事かと目を白黒させるやつらに、学ランとYシャツのボタンを全開にして叫ぶ。
「おれの推しの、マリンにゃんの悪口を言うなっ! マリンにゃんは可愛い上に歌って踊れて、見ている人に夢と希望と元気を与えることの出来るスーパーアイドルなんだぞ!!!!」
Yシャツの下に着ているのは、"マリンにゃん尊い!!"とでかでか書かれた自作Tシャツだ。
「マリンにゃんを悪く言うやつは許せない、マリンにゃんはおれの恩人なんだっ!!」
しんっ……と静まり返る教室に、スピーカーから聞こえる「またたびみたいなあなたにわたしはとろけちゃうの~」というマリンにゃんの歌声が響いている。
はっと我に返る。推しを侮辱され、ついカッとなってしまった。おれは恥ずかしいやら、情けないやらで思わず教室を飛び出した。
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