隣の席の地味子がおれの推し

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 それからマリンにゃんと会話をすることもなく、時間は刻々と過ぎていく。  昼休みとなり、おれは購買にパンを買いに行こうと立ち上がる。ふと隣を見ると、マリンにゃんは小さなお弁当を広げている最中だった。  おれもそうだけど、マリンにゃんもぼっち飯だよなぁ~とか思っていると、お昼の校内放送が流れ始める。 「今日のリクエスト曲はキャットガールズの"またたびみたいなあなた"です」  この曲はマリンにゃんがセンターを飾ったもので、表情にこそださないがおれのテンションは爆アガりだ。この曲をリクエストしてくれたやつとは仲良くなれそうだ!  神曲に聞き入っていると、スクールカースト上位の男女グループが騒ぎ始める。 「てか、キャットガールズってキモくね? ファンもオタクっぽいやつらばっかだし。つか歌も下手だし、そんな可愛くなくない?」 「わ~、嫉妬乙! とゆーか、歌が上手いアイドルとかいないっしょ? まぁ顔の好みは色々とあるけどよ、あのマリンって子はおっぱいが大きいからずっとそこだけ見てるわ」 「うわ、これだから男は~。でもマリンってめっちゃあざと系で、男に媚売ってるよねぇ。不細工なのになんで人気なのか全く分からないし」 「だから、おっぱいがあればいいんだよ。おっぱいが!」  ゲラゲラと笑いながら繰り広げられる会話に、おれの体は冷たくなる。あいつらは、一体何を言ってるんだ? 意味が分からな過ぎて呆然とするおれの耳に、ぐすりと啜り泣くような音が聞こえた。
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