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「あたしは"ちきゅう"という星の"にっぽん"という国で女子高生をやっていたのだよ。ただの女子高生ではない。ご覧のとおり、美人女子高生であるぞ。男にモテモテだったのであるぞ。人気者だったのであるぞ。しかーし、好事魔多し。下校中に"だんぷかー"にはねられてしまい、落命してしまったのであるぞ、ぷんすこ!」
どうやら怒っているらしい女のコに対してなんて言おうかと考え、ぼくが選んだ言葉は当たり障りのない「えっと、お疲れさま」というものだった。
「そうだよぅ。お疲れさまなのだよぅ」女のコはがっくりと肩を落とした。「家なんかないし、それなら宿に泊まらなくちゃだし、だったらお金稼がなくちゃだし、だからがんばってみたりもしてるんだけど、全然うまくいかないし……」
「普段はどこで寝泊まりしてるの?」
「森の中で葉っぱにまみれて寝てる」
「危ないよ、それは」
「化け物? つーかモンスター? そんなんだったらべつにいいんだ。あたし、強いみたいだし。でも、人間の男がその、いやらしいことをしようとして近づいてくるのは……。だって、人間じゃん? 同族じゃん? だったら魔法、ぶっぱなすわけにもいかないじゃん? 一生懸命、逃げるしかないじゃん?」
ぼくは「そうだね」と肯定しつつ、じつは優しい女のコなのかもしれないなと感じた。
ぐすぐすと鼻を鳴らす女のコ。
「最悪、自殺すればいいかなって、思ってるんだ……」
「知らない世界は怖いから?」
「うん……」
「ぼくがなにか力になれればいいんだけどなあ」
女のコは「そう! それそれ!」とぼくの顔を指差すと勢いよく立ち上がり、前に回り込んできた。興奮した口調で、「プルート、あたしとペア組んでよ。つーか組めよ。あたし火力すごいからさ、ぴったりじゃん!」と言った。
「火力がすごい。それってほんとうなの?」
「ホントホント! 超使えるんだから! つーわけで! これから二人で! 仲間として! 相棒として! 一緒にクエストに臨もうでは、あーりませんか!」
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