盲愛という病

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盲愛という病

 「盲愛(もうあい)」という病に、 君がかかってしまった、その病は、 お手洗いやお風呂、自分の事は全て、 出来るけれど、目の前にいる私の存在が、 見えなくて、遠くを見つめるようになる、  そんな病に君がなってしまった、 どうして君が…そう何度も思った、 わかってる、病は突然なるものなのは、 でも、受け入れられなくて…私の目の前に 君はいるのに、君には私の事が、  見えないなんて、思いたくない、 触れられるほどそばにいるのに、 「どうして見えないの、ねえ」 そうボソッと言ったけれど、君は、 遠くを見つめるだけ、ぽろぽろと、涙が、  こぼれていく、心が痛い、あの温かさが、 消えていった、あんなに温かかったのに、 今ではこんなに冷えている、さみしい、 このまま、そばにいていいのかな、 ふと思ってしまって、つらい  もっと、触れればよかった、もっと、話せばよかった、もっと、もっと… たらればなんて、私達にないと思ってた… 私は、目をつぶり、開いた両手で、両目を手でふさぎ、しゃがみこんだ、ああ… この苦しい思いは、今まで幸せな日々を送ってきた私への罰かしら…? そうだとしたら、神様、ごめんなさい 幸せでいてごめんなさい、どうか、私の 大事な人を苦しめないでください、お願い
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