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「全員揃ったな。では、今回の事件についてだが────」
瓦礫の王の時に責任者をやっていた富山さんがまた責任者をやっている。そういえばあの時は薄井先輩と一緒にいたなぁ、と考え……おっと、危ない。玲二先輩って呼ばないと怒られるんだった。
「資料は読んだな?では、各自聞き込み開始だ!」
相変わらずのバカデカボイスで叫び、バン!と資料を叩きつけて部屋を去っていく富山さん。周りがゾロゾロと部屋を出ていくなか、僕は冰李さんの方へと向かった。
「冰李さんっ!一緒に捜査しませんか?」
「もちろんです。行きましょうか」
冰李さんが立ち上がる。冰李さんは僕より少し背が高い。さすがお兄ちゃんだ。周りから見た彼は『イケメン兄弟の兄』と見えるだろうが、僕からすれば『面白い人』だ。
「エリアは浜松周辺らしいですね。汐留、その先まで行かれたら困りますが……」
浜松はまだ陸の方だが、汐留となるともう東京湾に面してしまっている。その先に行かれると、もう手のつけようが……。
「とりあえず浜松に行きましょう。他の皆さんも同じ考えだと思いますが、手当たり次第と行きましょうか」
「はい!頑張りましょう!」
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