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1年クラス写真
僕は、このクラスが嫌いだった。この写真を見ていると今も胸がざわめく。笑顔で写る元同級生と、真顔で写る僕とあの子。
僕にとって辛い時期だった。
きっと僕が、あの子を好きになったのは、あの子がクラスの女子全員から嫌われていたからだと思う。僕は、あの子に対して仲間意識を持っていた。だから、惹かれる部分があった。
たしかに、あの頃の僕は、歪んでいた。今も歪んでいるのかもしれない。
きっと僕は、あの子が嫌われたりいじめられたりしていなければ、好きになることはなかったと思っている。そんな気がしている。
あの頃の僕は高校生という年頃で、なるべく異性と良好な関係を築きたかった。それは、おそらくみんなも同じだった。
入学当初、周りを圧倒していたあの子は人気が高かった。慣れ合うとせず、凛とした態度は余計に人を惹きつけていた。
けれどその時の僕は、あの子が好きだったわけじゃない。
みんなが好きになるような人は、僕を選んでくれるとは思えなかった。
僕も、絶対に勝ち目がない恋愛をする気はなかった。
だから、雲の上の存在だったあの子は、あの頃の僕にとって普通のクラスメート程度にしか思えなかった。ただのクラスメートに過ぎなかった。
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