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挟まっていたノートの切れ端
卒業アルバムのページをめくっていると、一枚の紙が挟まっていた。それを見るたび、あの日のことを思い出す。
あの子と話した初めての日のことを思い出す。いや、あれは話したとは言えないかもしれない。それでも、あの子から声をかけられたの初めてだった。
それにあの子の笑った顔を始めてみた日でもあった。
この紙は、くだらない落書きがされ、七ミリ幅の罫線が入っていた。それは、高校生のときよく使っていたノートの切れ端だった。
これは、授業中に破って、一度はあの子に渡したがすぐに返却されしまった紙だった。
この紙には、対となる紙切れがあるはずだった。しかし、それは見つからない。きっとそれは、捨ててしまったのだろう。その紙には、見るだけで吐き気がするようなことが書かれていたから捨てたのだろう。
これも、その嫌記憶を思い出せるきっかけになるものだった。
それでもこれを取っててあるのは、苦い思い出以外にも様々な記憶が詰まったものだからだろう。忘れたくないと思う気持ちがあるからだろう。
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