(36)

32/42
前へ
/576ページ
次へ
「武は久保田の実子じゃないし、母親は他の街に住んでいる。 それに子供には罪はない。 悪いのは、子供を利用する大人だもの」 『あんた、成長したわね。 それを無償の愛って言うのよ』 「無償の愛?」 『そう。あんたは意識してなくても、助けたいって言う本能が動いたはず。 あんたは、誰にでも優しくしない事を、アタシがよく分かってるわ。 でも、子供は別でしょう。 それに、助けたからと言って、見返りとか考えていない。 その行動が、無償の愛なのよ』 美里と会話して、美里が何を言いたいのか、自分なりになんとなく分かった。
/576ページ

最初のコメントを投稿しよう!

235人が本棚に入れています
本棚に追加