できることなら

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 その後、俺が何を言っても美緒の考えは変わらず、いくら真剣に話をしても、美緒はその都度真剣に俺を諭してくれていた。  しばらく話は続けたけど、どうする事も出来ないとわかってからは黙るしかなく、「俺はどうしてわかってくれないんだ」と情けない事に一人で泣き続けていた。 「付き合ってる頃、そうやって私の前で泣いたりする事なかったよね。それくらい私に感情をぶつけてくれたらよかったのにね。いや、お互いにぶつけ合えば良かった。そうすれば私だって依存する事なく、康平に感情をぶつける事が出来たかもしれないね」  そうか、俺は何か勘違いしていたな。  美緒は俺の事を裏切らないと思い込んでいた。俺の事はなんでも許してくれるものだと。どうしてそんな風に思っていたんだろう。別れてから何ヶ月も経つのに未だに俺のものだと思い込んでいた。  何もする事の出来ない俺は打ちひしがれながらも、なんとか美緒の家まで送り届け、最後の別れをした。もう涙でぐしゃぐしゃだった。  そこからは以前の美緒の様に、俺が食事を取る事が出来なくなるほど落ち込んでしまい、激痩せと言っていいほどの調子だった。  毎日、職場と自宅の行き来だけで何もする事が出来ず、特に休日が辛くて仕方がなかった。
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