雪か桜か

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 桜を雪に、雪も桜に。  正斗という人間は本当に、それともたいていの人間が、――全般に、 「勝手だな」  振り返った僕は、坂道の頂上に達した彼女を見た。坂の向こうの同じ海抜地点から、正斗も見上げていることだろう。  おすそわけのような幻を感じる。 僕の吐息に雪片は震えた。花びらが風に舞うように?
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