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そんなこんなで、気づけば夕方近くになっていた。
先輩は体にまとわりついた雪を手で振り払っている。
「ったく、お前容赦なさすぎだろ……」
「ふふ、先輩の動きが鈍いんじゃないですか?」
でもさすがにかわいそうだから、ここらでやめることにする。
「……はあ」
ベンチに座る先輩。その隣に座る。先輩の顔や髪には払いきれてない雪がくっついてる。
「あら、先輩お疲れですか? 体力バカなのに?」
「何度も雪ぶつけられてりゃ、疲れるだろ」
「先輩、疲れてるなら飲み物買ってきましょうか?」
「誰のせいだと思ってるんだ……」
私は立ち上がって「ちょっと待っててください」と言って駆け出した。
……多分、ほんとは。
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