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『清原 聖慈、君には特別に課題を授けよう』
親呼び出しという単語にビビった俺が百田から課せられたのは、20枚にも及ぶ問題集と作文の提出。
作文のテーマは
“Z世代を生きる者として”
だというからふざけている。
百田のお情けで問題集と作文のどちらか一方の提出で勘弁してくれるらしいけど、国語力が皆無な俺にはいずれも過酷な課題だ。
『困ったら3-2の黛を頼るように』
『は?誰それ。つーか“まゆずみ”って、アイブロウってやつの事?』
『………話はつけとく』
といった感じの緩い会話を思い出しながら3年教室へと向かう。
百田が言うには、黛というのは文芸部の部長らしい。
この学校に文芸部なんてものがあるなんて初めて知った。
「あ、セージ君だ!ヤホー」
「セージ君、今日も格好良いね!」
3年教室に通じる渡り廊下で擦れ違った先輩二人に「あざっす」と愛想を振り撒く。
馴れ馴れしく声を掛けられた所で、彼女達の名前はぶっちゃけ覚えていないからニコニコ笑ってやり過ごすのが正解だ。
ただ面が良いってだけで普通にしていても目立つ俺の学校での知名度はほぼ100%。
なんなら他校でも有名人らしいから、いつ芸能事務所からスカウトされてもおかしくないと思う。
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