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沈黙を破るまでに、数秒かかった。
「ひとつ訊いてもいい?」
「どうぞ」
「ここは鍵で開く仕組みなのか」
「うん。ちょっとだけ特殊な鍵」
「何で俺、こんなところに落とされた?」
「花を踏みつけて、蹴飛ばしたから」
「踏みつけたのはわざとじゃない」
「蹴飛ばしたのは間違いないよね」
「あんたは何故、ここにいるんだ」
「山の神様の代わり。バイトです」
「改心したら、出してあげるって?
ずいぶんと上からだよな」
「再度、質問するよ。川瀬くんは
僕に何ができる?」
「何が望みだよ」
そう言って、彼を睨みつけた。
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