Daydream〜初恋〜

16/22

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
静寂に包まれる空間に、 僅かに響く2人の息遣いと衣擦れ。 俺はキスを繰り返しながら、 腕の中にいる彼を愛おしく感じ始めていた。 地上にいた数十分前までからはおよそ 考えられない感情だった。 小さく肉厚な彼の唇から流れてくる 温かく優しい気が、 日頃の悪ぶり意地っ張りな俺の心を 容赦なく掻き回し、確実に溶かしていく。 「葵、葵」 いつの間にか俺は彼の名前を囁きながら、 彼の唇を貪るように愛していた。 ずっとこうなることが約束されていたような 予感が胸を覆った。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加