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「あ、」
驚き、思わず身を翻した俺に
彼は小さく息を吐き、言葉を続けた。
「また迷い込んできた‥‥」
「また??」
彼の言葉に首を傾げ、尋ねた。
「キミ、何をしたかわかってる?」
「何をした、え?」
「この山の神の怒りに触れたんだ。
見てたけど、花を蹴飛ばしたでしょう?」
「あっ」
「これに懲りて、自分の周りの小さな
世界に気を配ることだね」
「いやいやいや」
「何」
「そもそもここから出られないのにさあ、
小さな世界?を大切にできる訳ないじゃん。
それに俺と同じように閉じ込められてる
あんたなんかに言われたくないし」
「あんたって」
彼が苦笑いした。
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