俺のご主人様

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 あんなに狂ったような色めいた目付きで、だけど吸い込まれそうなくらい蕩けた綺麗な眼差しで、あいつを見つめ返してる。  俺にはあんな顔、見せたことがないのに。あいつには…。  あんなに反り返るほど天井にむかって昂ったご主人様のソコに、あいつの口が近付いていく。  あんな風にペロペロ俺もしてみたいよ。俺の方が絶対上手なのに。  だって俺はいつもご主人様の膝の上に飛び乗って、お腹に手を掛けその顔がなくなってしまいそうなほどペロペロしてやってるんだから。  おい、やめろよ…なんて言いながら、ご主人様は嬉しそうに笑うんだ。  そのうちあいつはご主人様の両足を抱えて、ほらな。  アイツが激しいくらいに腰を振り始めた。  そのくらいのことは俺だって出来る。思わずご主人様の腕につかまって腰を振ったことだってあるんだぞ。 「こら、ハク!なにするんだ…お前、俺に盛ってんのか?」  そう言ってからかうようにご主人様はその腕をみて笑ってた。  俺だってあんな風にご主人様を悦ばしてやりたいのに。  アイツは顔だけはイケメンだ。ご主人様が見惚れるのはわかる。  だけどさ、あの乱暴な性格。  アイツは性格がサイテーだ。  前にたまに来た別のヤツはなかなか優しくていいヤツだった。けど、顔はイマイチだったもんな。  今のところ、一番最初のアノ人のことが多分、ご主人様は今でも好きなんだろうな。  アノ人と別れたあの日はご主人様があんなに泣いてた。相当好きだったに違いない。  それに比べたらさ…。今のアイツのこと、ホントに好きなのかな…。  あんな奴。  そんなにいい?どこがいいの?  かっこいいのは、見た目だけじゃん…。  あー。それにしても気になる。  ダメダメ。見ちゃダメ。  聞いちゃダメ。  そう思っても、聞こえてきてしまうんだからさ。ベットの上の二人のあんな声やこんな声…。あんな音…。  今日は昼間の明るいうちからそうして随分長いこと裸でベットのうえで二人でイチャイチャしたあと、風呂に向かったご主人様がなかなか出てこないのを見に行ったきり、あいつまでそのまま風呂に入り浸りしばらく二人とも出てこなかった。  風呂からまたあいつの唸るような声が聞こえてくる。ご主人様の掠れた声も混じってシャワーの音にまみれて微かに聞こえてくる。  やがてアイツに抱えられるようにしてぐったりしたご主人様がピンク色に顔や体を染めながら出てきたあと、ベットの上でうつ伏せになりダランと横たわるご主人様の上にまたしつこく乗り上げ散々また乱暴に乱したあと、軽くタオルで拭いてやりベットでぐったりした裸のご主人様を置きざりにして夕方、さっさと服を着て挨拶もそこそこにあいつは帰っていった。 「じゃあなアオ。また来る。」  帰り際にあいつがタトゥーの入った腕を上げご主人様に手を上げながらそうを声かけた。  裸ん坊のままうつ伏せで寝そべるご主人様は片腕を少しだけ上げて手のひらを二、三度振ると、パサリとシーツの上に腕を投げ出した。真っ白な体が今日も綺麗だ。  丸い真っ白なふっくらしたお尻がベットの上で丸見えになってる。  アイツに雑にタオルで拭かれてそのまんまの格好だ。  アイツがいなくなって俺はやっとご主人様のそばに近づきベットにジャンプして飛び乗ると、尻尾を振りながら裸でうつ伏せに寝そべるご主人様の横顔のそばの腕のなかに潜り込み、その疲れた横顔をペロペロした。 「くすぐったいよ、ハク…」  気だるげな鼻にかかった声だけど嬉しそうにご主人様が顔をよける。  疲れて重そうな腕を持ち上げ、俺の体を抱き寄せて俺の毛の間に優しく指を通す。  あー。気持ちいい。 「おいで、ハク」  だっこされて俺はその裸でごろんと仰向けになった平らな胸に顎をのせて添い寝すると、ご主人様の優しい指先が俺の体を何度も撫でてくれた。  ついさっきまであいつがこの上で好きなように暴れていたと思うと少しまたアイツに腹が立つ。  だけど優しく撫でてくれるから俺もいつの間にか目を閉じ、ご主人様の胸の上でうっとりとする。  大好き。俺は俺のご主人様が本当に大好きだ。
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