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「落ち着いたらバイトとか、パートで仕事をします。家賃もいれます!」
必死に懇願してくる富永のことがなんとなく可愛そうに感じられてきた。
この家を買い戻すつもりだったということは、ひとまず金もありそうだ。
「わかった。それなら今日だけは泊めてやる。でも、明日には出ていけ」
太一がそう言うと、冨永はまた額を床にこすりつけて「ありがとうございます!」と運動部さながらに声を張り上げたのだった。
奇妙な同居生活
翌日太一が目覚めたのは最近あまりかいだことのない味噌汁の匂いがしたからだった。
目を覚ましてダイニングへ向かうと冨永が朝食を作っている途中だった。
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