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冨永には今日出ていってもらう。
そして二度と戻ってこないように念を押す。
そう決めて玄関に入ったとき、異変を感じて太一はまばたきをした。
さっきまでの威勢はあっという間にしぼんでしまい、家の奥から聞こえてくる笑い声に脱力する。
玄関先には女性もののパンプスが置いてあったのだ。
それは薄汚れた運動靴の隣にキチンと揃えて置かれている。
「ただいま」
声をかけてドアを開けると、そこには食卓を囲んでいる冨永と女性の姿があった。
「あ、太一おかえりぃ」
女性が太一の姿を認めて気楽に声をかけてくる。
テーブルの上にはサラダやパスタなどが並んでいてにぎやかだ。
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