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『記憶が、ないの』 『…は?』 『私のことも、おじさんやおばさんのことも何もかも覚えていないの』 それは俺が想像をはるかに超える、言葉のものだった。 『こっせつ、とかじゃ…』 『記憶がないのよ。あんたのこともね』 『そんな、』 『あんた、美羽になんかした?』 『は?』 『美羽、あの日…泣いてたの』 意味のわからない言葉の数々が俺に向かって飛び交ってくる。 泣いてた? なんで?だって俺はなんも連絡すら取っていない。 だから
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