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「あ…えっとお待たせしました…。 色々手続きをしてて遅くなって…」 「全然。大丈夫だから。行こうか」 「あっ、はい」 私が持っていたカバンをすっと取って、もう一つ空いている片手では私の手を取って歩き出す。 たったそれだけのことに、きゅんとしてしまう。 すみれさんも言っていた通り、 理人さんと付き合っていたらしいからこんなこときっと日常茶飯事だったのだろう。 私がどんな恋をしていたのか、自分でも思い出せないのが凄くもどかしい。 でも たったこれだけのことで、理人さんが女慣れしているのかなと焼きもち妬いてしまうことの方が物凄く恥ずかしかった。
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