11:告白

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11:告白

___ガラガラガラ 教室の扉を開けて教室に入り、僕は部屋の奥にある自分の作品の前まで先輩を案内した。 僕達は横で並び、作品を見た。 「…これが僕が描いた作品です。……この作品、「運命の白い猫」って言うんです。」 「…運命の白い猫、……桜がとても綺麗だ…」 先輩は僕の絵を夢中になって見てくれていて、それだけで僕は嬉しかった。 でもそれだけではダメだ。 僕は言わなければならない、あなたが好きだと。 教室に入ってから震えの止まらない手を強く握り、先輩の方へ向き直った。 「先輩...僕、言いたいことがあるんです。」 「……なんだ。」 「この絵を描く時、ずっと先輩のことを考えながら描いたんです。」 「俺の事を?」 「はい、先輩が覚えてくれているか分かりませんが、僕たちが最初に会った場所は、こんな桜の木の下だったんです、」 「…あぁ、ちゃんと覚えている。」 「僕はきっとその時から………気づかないうちに先輩に惚れてしまっていたんです。」 「…桃井……」 最初は緊張していた僕も、話し始めてしまうと、先輩が好きだという気持ちが溢れて、止まらなくなっていた。 「先輩、ずっと好きでした。…………?!」 僕が思いを告げたあと、僕は少しだけ俯いてしまった。何も言わない先輩を不思議に思い顔を上げた瞬間、目の前には大好きな先輩の顔があった。 そこで自分が先輩にキスをされているのだと気づいた。 「…ん!……っ…せ、せんぱ、くるし、」 「…俺も好きだ。」 「え……ちょっ………んん!」 先輩にキスをされ驚いたが、苦しくなり口を離した。 その後に先輩が好きだと言ってくれた。 一瞬信じられなかったが、すぐにまたキスをされ、信じざるを得なかった。 嫌われてしまうかもしれない、そんな覚悟で告白したのだが、まさか先輩も僕をすきだと思ってくれているとは思わなかった。 「んっ……ふっ…っ………っぷは!…」 「すまない、大丈夫か?」 「はい、大丈夫です。………だから…もう1回、したいです………」 「っ!あぁ。」 先輩はそう言ってまた、キスをしてくれた。 僕を抱きしめる力が強く、少し痛かったがその痛みがこれは夢では無いことを証明してくれていた。 僕達の出会いは運命だったのかもしれない。 もしそれが運命なら、きっとあの時の白い猫が運んできてくれたのだろう。
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