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追跡するためのポーション?
「え、そんなものがあるんですか?」とレサイアが聞くとノルは店なんかには売られてないぞと言う。
「跡視草はなかなか手に入らない物だ」
ノルがそう言いながら乾燥した粉末状の物を見せる。
じゃ、何で持ってるんですかと聞きたかったがレサイアは黙っている事にした。
「お前、物知りだな」
感心したようにステリがノルを見ながら言うと「元は道具屋をやっていたんだ。それが今でも研究なんかしていろんな物を作っている。客に合わせたポーションなんかは作ってきたよ。今でも頼まれる事は多いがな」
そう言いながらノルはポーションを作る。
コトコトと煮ると良い匂いがしてきた。
出来上がるのを待つと瓶に入れられ魔力を込めると追跡ポーションが出来上がる。
「これを飲んで追うぞ」と瓶の入ったポーションを見せる。
跡感知ポーションをみんなで飲むと足跡が薄く青白く光る。
それを、後を追うと洞窟まで続いていた。
そこからギャアァァァァと言う叫び声が聞こえてくると同時に盗賊が飛び出してくる。
デュラハンは盗賊の一人を捕えノルは事情を聞く事にした。
「なにがあった?」とノルが聞くと「蛇が!蛇が!」と言うだけだった。
封印が解かれて蛇が出てきたのだろうかと思いながら洞窟へ足を踏み入れる。
中からは血の匂いがしてくる。
足を進めると水音に驚き目を向けると盗賊の死体が転がっている。
死と言う匂いが充満している。
「あの、ノルさん」レサイアが声をかけるとノルは腰にある魔術書に手をかける。
魔力がビリビリと伝わってくるステリとノルは顔を見合わせると「封印が解けている」とステリにいわれる。
「行くぞ」とノルが先に進み慎重に進む。
開けた場所に三体の紫色の光に帯びた蛇がいる。
一体は竜のような頭で一体は普通の見た目で一体は目がなく身体の中が見えていて中には魔力が詰まっている。
一度に三体も相手にしなくてはならない状況に冷や汗が流れる。
「おい、不浄の者」とステリと声をかけられ続けて言われる。
「一人、一体だどれが良い?」
そう、言われるとレサイアが不安そうにこちらを見ているので「時間を稼ぐだけで良いコイツらと戦って生きて帰れれば十分だ」とノルが言うと一歩前に出る。
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