愛しているから

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「いいよ。何にしようか?」 「そうだな。パパのために、シュークリームを買ってあげよう!」  紗那の表情は得意げで、人差し指を頬に当てて、お姉さんぶっている。きっと私の真似をしているつもりだ。何かを考える時に、私が頬に人差し指を当てるのを、紗那はよく見ているから。 「そんなこと言って、シュークリームが一番好きなのは、誰かな?」 「えへ、さなだった!」 「でも、パパもきっと喜んでくれるから、シュークリームを三個買っていこうか」 「うん! 四つでもいいよ!」  下から覗き込んできた紗那は、上手におねだりをする。私が紗那の笑顔に弱いことを本能的に知っているのかもしれない。だけど……。 「一人、一つだよ」 「ええ……けち」  紗那は不貞腐れて、薄桃色の唇を尖らせている。そんな表情をされると、買ってあげたくなるじゃない。でも、ダメダメ。甘やかしすぎだって、またパパに怒られちゃう。  
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