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ラニアの肩が震える。涙が頬を伝って床に落ちていく。
カイはそれを見て、すぐにハッとした。
守らなくては。ラニを、守らなくては!
「ラニ!」
カイはラニアの肩を掴んで呼びかけた。
「ラニ、早く逃げよう!」
「でも、パパとママが……」
虚ろな目で自分を見上げるラニアの瞳を、カイは力強く見つめる。
「ラニ」
カイは、声が震えそうになるのを必死に堪えて彼女を呼んだ。
「逃げなきゃダメだ。生きなきゃダメだ。苦しいかもしれないし、悲しいかもしれないけど……」
カイは、ラニアを強く抱き締めながら、口を開く。
「絶対に、俺が守る。ラニは、俺が守るから……!」
家がパキパキと音を立て始める。炎の熱さが伝わってきて、カイのこめかみを汗が伝った。
「カイ……」
ラニアはカイを抱き締め返し、頷いた。
「……逃げよう。あたしも、あんたのこと絶対に守る」
2人はお互いを支え合いながら立ち上がり、両親の亡骸に短く告げる。
「いってきます」
そう言い残し、2人は裏口から家を飛び出した。
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