なごり雪

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妻が居なくなりそうなのを話そうと思ったが喉をつっかえて上手く言葉にできない。 妻と目が合うと、ダメだと言う声が聞こえた気がした。 そうだったな。話さないと決めたんだったな。 それから次の日帰って行った子供達。 そして日にちが経つ度少しずつ弱っていく妻。 それを見ているしかできない。 ついに人工呼吸器をつける様になった。 「今日は、大丈夫。大丈夫」 子供に言い聞かせる様に話す。 「小春。明日また来るからな」 「ええ。待って、ます」
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