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世界には人間の他に獣人や妖精などの亜人種が存在する。
これは、黒猫の獣人の物語である。
遥か昔から、黒猫の獣人族は忍者として戦国武将たちに仕えてきた。
現代では公安やホワイトハッカー、スパイなどとして国に仕えていた。
黒野玉緒も、スパイとして暗躍していた。
ある日のこと、事実上敵国である国の暗殺者が入国したとの情報を入手した。
玉緒の任務は、その暗殺者を生かしたまま捕らえることだ。
標的の暗殺者は女好きだという情報も入ったので、玉緒は男であるが女装して任務に当たることにした。
メイド喫茶の店員に扮し、男を待つ。
何故、メイド喫茶かというと、暗殺者の男は日本のサブカルチャーオタクという人物を演じてるからだ。
一番人気のメイド喫茶に来店する可能性が高いと思い、嫌々メイド服を着用したのだった。ついでに偽物の胸も装着した。
そして、ついに男が来店した。
「お帰りなさいませ、ご主人様♡」
とびきりの笑顔を作って、席に誘導する。
「ご注文は、何にされますか?」
「モエモエ……オム……ライス……ヲ」
「かしこまりました!!」
萌え萌えオムライスには、コーヒーもセットで付いてくる。そのコーヒーの中に睡眠薬を導入する。
それを男のもとヘ運ぶ。
「それでは!!美味しくなーれ、萌え萌えキュンキュン♡」
込めたものは愛情ではなく睡眠薬だが、暗殺者の男は気づかずにコーヒーを飲んだ。
オムライスを食べきった頃には、目をこすり眠たそうだ。
店を出る男を見送る。
寝落ちした男を回収するのは、他の黒猫族の公安の獣人に頼んでいる。
こうして、今日も黒猫たちは国民を守っている。
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