VIII

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(いや、でも。彼女と同じくらい僕も王としての素質に欠いていた)  初めから最後まで、僕は彼女によく見られたいがために今までの時間を過ごしてきていた。彼女以外のことはどうでも良いと思っているのに、再会のための努力を怠り、人間界を知らず、預かり物を壊し、あまつさえ命まで奪おうとしている矛盾。  都合の良い思い出だけを愛でる僕は、今まで一体何を見てきたというのだろう。 (僕達は互いに等身大の己を顧みるべきだ) 「イゾルデ、僕は君ともう一度取引がしたい」  そして雪の国を僕の魔力が覆った。
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