IV

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*  数時間は経っただろうか。  雪の国の殆どを二人で周りつくした。 「見つかりませんね」 「そうか。精霊は気まぐれだからな」  探し精霊は当然、見つかるはずなどない。だって、あの日彼女を助けたのは僕なのだから。 (あれ、でもおかしいな。あれから僕の姿はそこまで変わっていない。なぜ彼女は僕に礼を言いに来ないんだ?)  僕は白々しくも次のような問いかけを行った。 「人の子よ、思い出の精霊は一体どんな姿をしているのだ?」 「はい。とても凛々しい顔立ちの、背の高い精霊様でございました。流れるような長い黒の髪に、金の瞳、渋くてダンディーなお声でした」 (???)  僕は首を傾げる。  それは絶対に僕じゃない。
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